東京下町ガイド の「神社と寺院」カテゴリーでは、東京の下町エリアにあるいろいろな神社や寺院をわかりやすく紹介しています。あなたの東京観光におすすめのスポットを毎回 1 つ取り上げます。
今回の記事では、台東区の 入谷 にある 太郎稲荷神社 を紹介します。
樋口一葉 の代表作「たけくらべ」において、主人公の 美登利 は姉のために神社で毎朝願掛けしていました。それがこの神社です。
今回の記事では、太郎稲荷神社に関する以下の内容をやさしく解説します。
- 歴史
- 祀られている神さま
- 見どころ
- アクセス方法
- その他
この記事を読むことで、太郎稲荷神社についてより深く理解できます。あなたが太郎稲荷神社を訪れる際は、ぜひこの記事を参考にしてください。
由緒(歴史)
1620年(元和 6 年)から 1871年(明治 4 年)にかけて、筑後国(現在の福岡県)の 柳川藩 に 立花家 という藩主がいました。
立花家は 新堀川 の上流に 下屋敷 を持っていました。
新堀川は、上野と浅草の境にかつて存在した川です。この川は、下谷、かっぱ橋道具街、蔵前を通り、隅田川まで続いていました。
また、下屋敷とは、藩主が江戸の郊外に持っていた別邸のことです。緊急時の避難場所に使われたり、国元から送られてきた資材を引き上げるために使われたりしました。
立花家は下屋敷に稲荷神を祀る社を持っていました。これが太郎稲荷神社の始まりです。
神さまとご神徳(ご利益)
太郎稲荷神社の 主神 は、稲荷神 です。主神とは、その神社で中心となる神さまのことです。
稲荷神は、穀物、農業、そして、芸能の神さまです。また、稲荷神は、同じく穀物をつかさどる神さまの 倉稲魂命 と同一視されます。
稲荷神の主なご神徳(ご利益)は、次のとおりです。
- 五穀豊穣:農作物がたくさん穫れる
- 商売繁盛:商いがうまくいく
- 家内安全:家族が健康で安全に過ごせる
- 芸事上達:音楽、芸術、芸能などが上達する
- その他
見どころ
樋口一葉ゆかりの地
樋口一葉 は、明治時代に活躍した小説家です。彼女の代表作「たけくらべ」でも台東区の神社や寺院が取り上げられています。この記事で紹介する太郎稲荷神社もその 1 つです。
「たけくらべ」の主人公の 美登利 には、新吉原 の遊女である姉がいます。新吉原は現在の 千束 4 丁目にかつて存在した 遊郭 です。
美登利は姉の仕事が繁盛するよう、毎朝、太郎稲荷神社にお参りしていました。
太郎稲荷神社は、「たけくらべ」の第 6 章に登場します。「太郎様」が太郎稲荷神社のことです。
太郎樣 への朝參りは母さんが代理してやれば御免こふむれとありしに、いゑ/\姉さんの繁昌するやうにと私が願をかけたのなれば、參らねば氣が濟まぬ、
意訳:「太郎稲荷神社への朝のお参りは母さんが代わりに行きますよ。だから、あなたは休んでいなさい」と、母が言いました。しかし、美登利は「いいえ、『姉さんの仕事が繁盛するように』と私が願を掛けたのです。だから、私が行かないと気が済みません」と言いました。
青空文庫の樋口一葉「たけくらべ」第 6 章より抜粋
各種情報
社務所の受付時間
- 社務所はありません
電話番号
- 03-3851-0617
住所
- 〒110-0013 東京都 台東区 入谷 2-19-2
地図
アクセス(電車)
- 日比谷線の 入谷駅(1 番出口)から徒歩 10 分
アクセス(めぐりんバス)
- 北めぐりん(根岸まわり)の 生涯学習センター北(金龍小学校前) 停留所(停留所の番号:18 番)から徒歩 3 分
- 南めぐりん(根岸まわり)の 生涯学習センター北(金龍小学校前) 停留所(停留所の番号:25 番)から徒歩 3 分
めぐりんバスは台東区のコミュニティ バスです。台東区を観光する場合、めぐりんバスはとても便利です。
めぐりんバスの詳細については、次の記事を参照してください。
アクセス(都営バス)
- 都営バス(上 26)の 入谷二丁目 停留所 から徒歩 5 分
- 都営バス(草 41)の 入谷二丁目 停留所 から徒歩 5 分
公衆トイレの有無
- なし