完全ガイド:千束稲荷神社(東京・台東区)

千束稲荷神社(東京・台東区) 神社と寺院
千束稲荷神社(東京・台東区)

東京下町ガイド の「神社と寺院」カテゴリーでは、東京の下町エリアにあるいろいろな神社や寺院をわかりやすく紹介しています。あなたの東京観光におすすめのスポットを毎回 1 つ取り上げます。

今回の記事では、台東区の竜泉(りゅうせん)にある 千束稲荷神社(せんぞく いなり じんじゃ)を紹介します。

千束稲荷神社は「樋口一葉『たけくらべ』ゆかりの神社」と称しています。その理由は、樋口一葉(ひぐち いちよう)の代表作「たけくらべに」にこの神社が登場するためです。

また、洗足稲荷神社は、2017 年(平成 29 年)に公開された映画「勝手にふえてろ」のロケ地になったことでも知られています。

今回の記事では、千束稲荷神社に関する以下の内容をやさしく解説します。

  • 歴史
  • 祀られている神さま
  • 見どころ
  • アクセス方法
  • その他

この記事を読むことで、千束稲荷神社についてより深く理解できます。あなたが千束稲荷神社を訪れる際は、ぜひこの記事を参考にしてください。

由緒(歴史)

千束稲荷神社(東京・台東区)
千束稲荷神社(東京・台東区)

千束稲荷神社によると、この神社の始まりは不明です。しかし、17 世紀の後半ではないかとのことです。

江戸時代の寛文年間(1661 年から 1672 年)、浅草一帯は 千束郷(せんぞくごう)と呼ばれていました。千束郷の範囲は、浅草寺の周辺から千住大橋の付近まで及ぶ広大なものでした。

千束郷には、上千束稲荷(かみせんぞく いなり)と 下千束稲荷(しもせんぞく いなり)という、2 つの稲荷神社がありました。

上千束稲荷神社は、浅草寺(せんそうじ)の境内にありました。この神社は 西宮稲荷(にしのみや いなり)とも呼ばれていました。現在、上千束稲荷神社は存在しません。

下千束稲荷神社は、千束稲荷神社の前身にあたります。当時は 龍泉寺(りゅうせんじ)が下千束稲荷神社の別当寺(べっとうじ)でした。別当寺とは、その神社を管理する寺院のことです。

神さまとご神徳(ご利益)

千束稲荷神社(東京・台東区)
千束稲荷神社(東京・台東区)

千束稲荷神社の主神(しゅしん)は、倉稲魂命(うか の みたま の みこと)を祀っています。主神とは、その神社で中心となる神さまのことです。

倉稲魂命は、穀物、農業、そして、芸能の神さまです。また、倉稲魂命は、同じく穀物をつかさどる神さまの 稲荷神(いなりしん)と同一視されます。

倉稲魂命の主なご神徳(ご利益)は、次のとおりです。

  • 五穀豊穣(ごこく ほうじょう):農作物がたくさん穫れる
  • 商売繁盛(しょうばい はんじょう):商いがうまくいく
  • 家内安全(かない あんぜん):家族が健康で安全に過ごせる
  • 芸事上達(げいごと じょうたつ):音楽、芸術、芸能などが上達する
  • その他

素盞鳴尊

素盞鳴尊(すさのお の みこと)も千束稲荷神社の主神です。

素盞鳴尊は、太陽神である 天照大神(あまてらす おおみかみ)の弟です。また、神仏習合では 牛頭天王(ごず てんのう)と同一視されています。

素盞鳴尊は、海、嵐、農業の神さまです。この神さまの主なご神徳(ご利益)は、次のとおりです。

  • 除災招福(じょさいしょうふく):あらゆる災いを取り除く
  • 家内安全(かない あんぜん):家族が健康で安全に過ごせる
  • 五穀豊穣(ごこく ほうじょう):農作物がたくさん穫れる
  • その他

見どころ

樋口一葉文学碑

千束稲荷神社(東京・台東区)
千束稲荷神社(東京・台東区)

樋口一葉(ひぐち いちよう)は、明治時代に活躍した小説家です。彼女は千束稲荷神社の近所に住んでいたことがあります。

樋口一葉の代表作に「たけくらべ」があります。この作品には、千束稲荷神社を始め、この地域の史跡がいろいろと取り上げられています。

そのため、千束稲荷神社は「樋口一葉『たけくらべ』ゆかりの神社」と称しています。また、境内には 樋口一葉文学碑(ひぐち いちよう ぶんがくひ)が奉納されています。

参考までに、千束稲荷神社は「たけくらべ」の第 2 章や第 4 章の出だしに登場します。この「千束神社(せんぞく いなり)」が千束稲荷神社のことです。

八月廿日は千束神社のまつりとて、山車屋台に町々の見得をはりて土手をのぼりて廓内までも入り込まんづ勢ひ

意訳:8 月 20 日は千束稲荷神社の祭りである。それぞれの町が見栄を張った山車や屋台を出し、日本堤の土手を登って吉原遊廓の敷地内にまで入り込もうという勢いである。

青空文庫の樋口一葉「たけくらべ」第 2 章より抜粋

打つや皷のしらべ、三味の音色に事かゝぬ場處も、祭りは別物、酉とりの市を除けては一年一度の賑ひぞかし、三嶋さま小野照さま、お隣社となりづから負けまじの競ひ心をかしく

意訳:鼓を打つ音や、三味線の音色がいつも聞こえる場所でも、祭りは別物である。酉の市を除くと、一年に一度の賑わいなのだ。三島神社や小野照崎神社など、近所の神社に負けないとする競争心も面白い。

青空文庫の樋口一葉「たけくらべ」第 4 章より抜粋

三島神社(みしま じんじゃ)や 小野照崎神社(おのてるさき じんじゃ)は、千束稲荷神社から徒歩 10 分ほどの場所にある神社です。

三島神社や小野照崎神社の詳細については、次の記事を参照してください。

各種情報

社務所の受付時間

  • 午前 9 時から午後 4 時まで

電話番号

  • 03-3872-5966

住所

  • 〒110-0012 東京都 台東区 竜泉 2-19-3

地図

アクセス(電車)

  • 日比谷線の 三ノ輪駅(1b 出口)から徒歩 5 分

アクセス(めぐりんバス)

  • ぐるーりめぐりんの 一葉記念館 停留所(停留所の番号:5 番)から徒歩 1 分
  • 北めぐりん(浅草まわり)の 一葉記念館入口 停留所(停留所の番号:15 番)から徒歩 2 分
  • 北めぐりん(根岸まわり)の 一葉記念館入口 停留所(停留所の番号:6 番)から徒歩 2 分

めぐりんバスは台東区のコミュニティ バスです。台東区を観光する場合、めぐりんバスはとても便利です。めぐりんバスの詳細については、次の記事を参照してください。

アクセス(都営バス)

  • 都営バス(都 08)の 竜泉 停留所 から徒歩 4 分
  • 都営バス(草 43)の 竜泉 停留所 から徒歩 4 分
  • 都営バス(草 63)の 竜泉 停留所 から徒歩 4 分

公衆トイレの有無

  • なし

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