この記事では、東京の三島神社(みしま じんじゃ)を紹介します。
三島神社は、東京の台東区 下谷(したや)にある神社です。この神社は「下谷の三島さま」の名前で親しまれています。
三島神社は、日比谷線の入谷駅(4 番出口)から徒歩 8 分くらいの場所にあります。また、北めぐりんの下谷三丁目 停留所(停留所の番号:9 番)からは徒歩 1 分くらいの距離です。
三島神社の主祭神は、山の神さまである、大山祇神(おおやま つみ の かみ)です。主なご神徳(ご利益)は、林業守護、商売繁盛、病気平癒、その他です。
台東区には 3 つの三島神社があります。台東区 入谷の三島神社、台東区 寿の本社三島神社(ほんしゃ みしま じんじゃ)、そして、台東区 根岸の元三島神社(もと みしま じんじゃ)です。これら 3 つの三島神社は、もともと 1 つの神社でした。
台東区 寿の本社三島神社の詳細については、つぎの記事を参照してください。
台東区 根岸の元三島神社の詳細については、つぎの記事を参照してください。
由緒(歴史)

ウィキペディア によると、この神社の始まりは 13 世紀にまでさかのぼります。また、元三島神社の歴史は、同じく台東区にある三島神社と本社三島神社(ほんしゃみしまじんじゃ)の歴史でもあります。
13 世紀の後期、元寇(蒙古襲来)がありました。モンゴル帝国が 2 度にわたり日本を攻めてきたのです。モンゴル帝国は、当時のアジアにあった世界最大の国です。
1 度目の襲来は、1274 年(文永 11 年)の「文永の役(ぶんえいのえき)」です。また、その 2 回目の襲来は、1281 年(弘安 4 年)の「弘安の役(こうあんのえき)」です。
その頃、河野通有(かわの みちあり)という人がいました。彼は、伊予国(現在の愛媛県 松山市)の武将(軍を統率する将軍)でした。彼は、1281 年(弘安 4 年)の弘安の役に参加しました。
弘安の役に向かう際、河野通有は地元の大山祇神社(おおやまづみ じんじゃ)で戦勝祈願をしました。大山祇神社は、瀬戸内海の大三島(おおみしま)ある神社です。また、この神社では、山の神さまである大山祇神(おおやま つみの かみ)を祀っています。
河野通有は戦いに勝つことができました。そのため、彼は大山祇神にとても感謝しました。
ある夜、河野通有は大山祇神の夢をみました。大山祇神は河野通有に「私を武蔵国豊島郡に祀りなさい」と言ったのです。そこで、彼は上野山にあった自分の屋敷に大山祇命を祀る神社を建てました。
1625 年(寛永 2 年)、江戸幕府は上野山に寛永寺を建てました。それにともない、河野通有の神社は上野山から金杉村(現在の台東区 根岸)に移転しました。1650 年(慶安 3 年)のことです。
その後、江戸幕府は河野通有の神社の土地を幕府用地としました。そのため、1709 年(宝永 6 年)、河野通有の神社は金杉村から浅草小揚町(現在の台東区 寿)に移転しました。これが現在の本社三島神社です。
金杉村の人たちにとって、本社三島神社は遠くにあるため不便です。そのため、金杉村の人たちは本社三島神社の大山祇神を分霊し、それを 2 か所で祀りました。
元三島神社は、大山祇神の分霊を金杉村にあった熊野神社で祀ったものです。三島神社は、大山祇神の分霊を下谷で祀ったものです。
祀られている神さまとご神徳(ご利益)
三島神社は、主祭神の大山祇命(おおやま つみ の みこと)の他にも、つぎの神さまを祀っています。
- 和足彦神(やまと たりひこ の みこと)
- 身島姫神(みしまひめ の みこと)
- 上津姫命 (かみつひめ の みこと)
- 下津姫命 (しもつひめ の みこと)
- 保食命(うけもち の みこと)
大山祇命(おおやま つみ の みこと)
三島神社の主祭神は、大山祇命(おおやま つみ の みこと)です。大山祇神は、山と海の神さまです。主なご神徳(ご利益)は、林業守護、商売繁盛、病気平癒、その他です。
この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。
上津姫命 (かみつひめ の みこと)
三島神社は、上津姫命 (かみつひめ の みこと)を祀っています。この神さまは、磐長姫命(いわながひめ の みこと)だといわれています。磐長姫命は、大山祇命の娘です。
上津姫命は、岩と長寿の神さまです。主なご神徳(ご利益)は、健康長寿、縁結び、家内安全、商売繁盛、その他です。
下津姫命 (しもつひめ の みこと)
三島神社は、下津姫命 (しもつひめ の みこと)を祀っています。この神さまは、木花開耶姫命(このはな の さくやひめ の みこと)だといわれています。木花開耶姫命は、大山祇命の娘です。
下津姫命は、火と安産の神さまです。主なご神徳(ご利益)は、火難除け、安産、子授け、その他です。
この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。
保食命(うけもち の みこと)
境内社の火除稲荷社(ひよけ いなり しゃ)は、保食命(うけもち の みこと)を祀っています。保食命は、食物、農業、養蚕の神さまです。主なご神徳(ご利益)は、五穀豊穣、養蚕守護、商売繁盛、その他です。
この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

見どころ
雷井戸(かみなり いど)

三島神社の境内には、雷井戸(かみなり いど)と呼ばれる井戸があります。この井戸に関する伝説がきっかけで三島神社は「落ちないご神徳(ご利益)」があると言われるようになりました。
三島神社によると、その伝説は、つぎのとおりです。
その昔、この地は落雷が多くあり、人びとはとても怖い思いをしていました。そんなある日、三島神社の境内に雷が落ちました。
神主は、その雷を境内の井戸に封じ込めてしまいました。困った雷は、神主に「井戸から出してくれ」と頼んだのです。
そこで、神主は、雷に「二度とこの地に落ちない」ことを約束させました。そして、神主は雷を許したのです。
それ以降、この地には「雷が落ちない」といわれるようになりました。いつしか三島神社のご神徳(ご利益)は「落ちない」になったのです。
花手水(はな ちょうず)

三島神社の手水舎(ちょうずや)は、季節の花が参拝する人を歓迎しています。手水舎とは、参拝する前に手や口を清める施設のことです。手水舎は、「てみずや」と読む場合もあります。
花手水の本来の意味は、屋外での神事の際に花や草についた露(つゆ)で手や口を清めることです。しかし、最近は手水舎の水に色鮮やかな花を浮かべたものを花手水と呼ぶようになっています。
今回、三島神社を訪れた際、手水舎に水は張っていませんでした。恐らく、新型コロナ ウィルス感染症の拡大予防のためだと思います。そのため、龍神が白い花(ゆり?)で飾られていました。
各種情報
社務所の受付時間
- 未確認
電話番号
- 03-3873-0172
住所
- 〒110-0004 東京都 台東区 下谷 3-7-5
地図
アクセス(電車)
- 日比谷線の 入谷駅(4 番出口)から徒歩 8 分
- JR 線の 鶯谷駅(南口)から徒歩 15 分
アクセス(めぐりんバス)
- 北めぐりん(根岸まわり)の 金杉区民会館下谷分館入口 停留所(停留所の番号:8 番)から徒歩 1 分
- 北めぐりん(根岸まわり)の 下谷三丁目 停留所(停留所の番号:9 番)から徒歩 1 分
- ぐるーりめぐりんの 下谷三丁目 停留所(停留所の番号:4 番)から徒歩 1 分
めぐりんバスは台東区のコミュニティ バスです。台東区を観光する場合、めぐりんバスはとても便利です。めぐりんバスの詳細については、つぎの記事を参照してください。
アクセス(都営バス)
- 都営バス(都 08)の 下谷三丁目 停留所 から徒歩 1 分
公衆トイレの有無
- なし(近所の金杉公園に公衆トイレがあります)