完全ガイド:口入稲荷神社(東京・台東区)

口入稲荷神社(東京・台東区) 神社と寺院
口入稲荷神社(東京・台東区)

東京下町ガイド の「神社と寺院」カテゴリーでは、東京の下町エリアにあるいろいろな神社や寺院をわかりやすく紹介しています。あなたの東京観光におすすめのスポットを毎回 1 つ取り上げます。

今回の記事では、台東区の浅草にある 口入稲荷神社(くちいれ いなり じんじゃ)を紹介します。

口入稲荷神社は、東京の台東区にある、小さな神社です。この神社は、玉姫稲荷神社(たまひめ いなり じんじゃ)の境内社(境内にある小さな神社)です。

口入稲荷神社を建てたのは、吉原遊廓にあった、高田屋という口入れ屋です。高田屋の主人は、お稲荷さまのお告げに従い、この神社を建てました。

「口入れ」は、「仕事や縁談を紹介する」という意味です。そのため、この神社は、良い奉公先を見つけたい人、良い奉公人を雇いたい人、良い伴侶を見つけたい人に人気がありました。

今回の記事では、口入稲荷神社に関する以下の内容をやさしく解説します。

  • 歴史
  • 祀られている神さま
  • 見どころ
  • アクセス方法
  • その他

この記事を読むことで、口入稲荷神社についてより深く理解できます。口入稲荷神社を訪れる際は、ぜひこの記事を参考にしてください。

この記事には英語版もあります。詳細については、次の記事を参照してください。

由緒(歴史)

口入稲荷神社(東京・台東区)
口入稲荷神社(東京・台東区)

口入稲荷神社によると、この神社の始まりは 18 世紀にまでさかのぼります。

現在、口入稲荷神社がある地域の近くには、かつて日本最大の公認遊郭である 吉原遊廓(よしわら ゆうかく)がありました。

吉原遊廓には高田屋という口入れ屋(くちいれや)がありました。口入れ屋は、江戸時代や明治時代にあった、仕事や縁談を紹介する業者です。

当時、高田屋の庭に稲荷神を祀る小さな神社がありました。ある晩、高田屋の主人は、稲荷神のお告げを受けました。お告げの中で稲荷神は「私を 玉姫稲荷神社(たまひめ いなり じんじゃ)に遷すように」と言いました。

高田屋の主人は、自分の店の稲荷神を近所の玉姫稲荷神社に移しました。これが口入稲荷神社です。江戸時代の安永年間(1772 年から 1781 年まで)のことです。

吉原神社の詳細については、以下の記事を参照してください。

神さまとご神徳(ご利益)

宇迦之御魂命

口入稲荷神社の主神(しゅじん)は、宇迦之御魂命(うか の みたま の みこと)です。主神とは、その神社でもっとも中心となる神さまのことです。

宇迦之御魂命は、穀物、農業、そして、芸能の神さまです。また、倉稲魂命は、同じく穀物をつかさどる神さまの 稲荷神(いなりしん)と同一視されます。

宇迦之御魂命の主なご神徳(ご利益)は、次のとおりです。

  • 五穀豊穣(ごこく ほうじょう):農作物がたくさん穫れる
  • 商売繁盛(しょうばい はんじょう):商いがうまくいく
  • 家内安全(かない あんぜん):家族が健康で安全に過ごせる
  • 芸事上達(げいごと じょうたつ):音楽、芸術、芸能などが上達する
  • その他

見どころ

ご神徳(ご利益)

口入稲荷神社の「口入れ」とは、就職口や縁談などを取り持つことを意味します。したがって、良い仕事を探している人、良い人を雇いたい人、さらには良い伴侶にめぐりあいたい人にご利益があるといわれています。

この神社のある地域は、昔は東京で一番貧しいところといわれていました。そのため、昔からこの口入稲荷神社は、仕事を求める地元の人の信仰を集めていたことが想像できます。

口入狐

口入稲荷神社(東京・台東区)
口入稲荷神社(東京・台東区)

口入狐(くちいれ きつね)は、狐の形をした今戸焼の土人形です。口入狐は雄と雌とが対になっており、それぞれ着ているものが異なります。

雄の口入狐は羽織を来て立っているため、羽織狐(はおり きつね)と呼ばれます。また、雌の口入狐は裃を来て座っているため、裃狐(かみしも きつね)と呼ばれます。

口入狐は玉姫稲荷神社の社務所で購入できます。商売繁盛を祈願する場合は羽織狐を、縁結びを祈願する場合は裃狐を購入します。

購入した口入狐は家に持ち帰り、神棚もしくは棚の上に安置します。そして朝夕お祈りすると願いが叶うといわれています。

願いがかなったら、その口入狐を持って再び口入稲荷神社を訪れます。そして、残りの一方の口入狐を購入し、夫婦にして神社に奉納します。

なお、口入狐と同様の人形は、浅草の被官稲荷神社(ひかん いなり じんじゃ)や立石の熊野神社(くまの じんじゃ)にもあります。これらの神社の詳細については、つぎの記事を参照してください。

狐穴

口入稲荷神社(東京・台東区)
口入稲荷神社(東京・台東区)

口入稲荷神社の社殿の裏には 狐穴(きつね あな)があります。この穴から稲荷神の神使の狐が出入りすると言われています。口入稲荷神社の狐穴は、積み上げられた岩の中央に穴があいています。

各種情報

社務所の受付時間

  • 午前 9 時から午後 5 時まで(玉姫稲荷神社の社務所)

電話番号

  • 03-3872-3411(玉姫稲荷神社の電話番号)

住所

  • 〒111-0022 東京都 台東区 清川 2-13

地図

アクセス(電車)

  • JR 線の 南千住駅 (西出口)から徒歩 10 分
  • 常磐線の 南千住駅(西出口) から徒歩 10 分
  • 日比谷線の 南千住駅(南出口) から徒歩 10 分
  • つくばエクスプレス線の 南千住駅 (西出口)から徒歩 10 分
  • 日比谷線の 三ノ輪駅(3 番出口)から徒歩 15 分

アクセス(めぐりんバス)

  • 北めぐりん(浅草まわり)の 清川一丁目 停留所(停留所の番号:9 番)から徒歩 3 分
  • ぐるーりめぐりんの 清川一丁目 停留所(停留所の番号:30 番)から徒歩 3 分

三ノ輪駅から口入稲荷神社へ行く場合、ぐるーりめぐりんが便利です。浅草駅から口入稲荷神社へ行く場合、北めぐりん(浅草まわり)が便利です。

口入神社から三ノ輪駅に戻る場合、北めぐりん(浅草まわり)に乗ります。口入稲荷神社から浅草駅に戻る場合、ぐるーりめぐりんに乗ります。

めぐりんバスは台東区のコミュニティ バスです。台東区を観光する場合、めぐりんバスはとても便利です。めぐりんバスの詳細については、つぎの記事を参照してください。

アクセス(都営バス)

  • 都営バス(東 42-3)の 清川一丁目 停留所 から徒歩 2 分
  • 都営バス(上 46)の 清川二丁目 停留所 から徒歩 3 分

公衆トイレの有無

  • なし(口入稲荷神社の隣にある玉姫公園に公衆トイレがあります)
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