当ブログの「見どころ」カテゴリーでは、東京の下町エリアにある観光名所を紹介しています。あなたの東京観光におすすめのスポットを毎回 1 か所取り上げます。
今回取り上げるのは、台東区にある 榊神社(さかき じんじゃ)です。
美容と縁結びにご神徳(ご利益)がある神さまをご存知ですか? それがオモダルとアヤカシコネの 2 柱(はしら)の神さまです。
オモダルとアヤカシコネは、どちらも見た目がとても美しい神さまです。そのため、昔の人びとは、この神さまたちをお参りすれば自分も美しくなれると考えました。
オモダルとアヤカシコネのご神徳(ご利益)の 1 つに「夫婦円満」があります。このご神徳も持つ神さまは「縁結び」も兼ねています。円満な夫婦になれる相手と縁を結んでくれるという解釈でしょう。
オモダルとアヤカシコネを祀る神社といえば、東京の渋谷区 神宮前にある穏田神社(おんでん じんじゃ)があります。この神社の公式 Web サイトでも「美と縁結びの守り神」と謳っています。
東京の台東区 蔵前にもオモダルとアヤカシコネを祀る神社あります。それが、榊神社(さかき じんじゃ)です。この神社は、第六天榊神社(だいろくてん さかき じんじゃ)の名前でも知られています。
この記事では、榊神社の詳細を紹介します。あなたが東京下町めぐりや浅草観光をする際の参考にしてください。
榊神社(さかき じんじゃ)について
榊神社は、東京の台東区 蔵前にある神社です。この神社の創建は 110 年(景行 40 年)です。
江戸時代までの名前が第六天神宮(だいろくてん じんぐう)だったこともあり、今でもこの神社を第六天榊神社(だいろくてん さかき じんじゃ)と呼ぶ場合があります。
この神社は、浅草線の蔵前駅(A1 出口)と浅草橋駅(A6 出口)の中間にあります。どちらの駅からも徒歩 5 分くらいです。また、浅草から歩くこともできる距離です。
榊神社の境内にある案内板によると、この神社の主祭神は「榊皇大神(さかき の すめ おおみかみ)」です。そして、この神さまのご神徳(ご利益)は、次のとおりです。
- 健康長寿(健康で長生きできる)
- 諸業繁栄(いろいろな産業が繁栄する)
榊神社の詳細については、つぎの記事を参照してください。
榊神社の主祭神は「榊皇大神(さかき の すめ おおみかみ)」ですが、この神さまこそがオモダルとアヤカシコネです。
東京神社庁やウィキペディアの榊神社のページでも主祭神は「面足尊(おもだる の みこと)」と「惶根尊(かしこね の みこと)」と書いています。これらの神さまがオモダルとアヤカシコネです。
もともと、榊神社は、日本武尊(やまとたける の みこと)がオモダルとその妹のアヤカシコネを祀ったことから始まりました。なお、この 2 柱(はしら)の神さまは夫婦であるという説もあります。
オモダルとアヤカシコネは、神世七代(かみのよ ななよ)の第 6 世代の神さまです。神世七代とは、天と地ができた世界の始まりのときに現れた 7 世代の神さまのことです。
日本に仏教が入ってくると、神仏習合(しんぶつ しゅうごう)が広がりました。神仏習合は、神道と仏教を融合した考えです。神仏混淆(しんぶつ こんこう)ともいいます。
神仏習合では、日本に昔からいる神さまは、仏教の仏さまや神さまが変化(へんげ)した姿と考えます。オモダルとアヤカシコネの場合は、第六天魔王(だいろくてん まおう)が変化した姿とされました。
その理由は、面足尊と惶根尊は神世七代の第 6 世代の神さまだからです。昔の人たちは、第六天と第 6 世代を結びつけたわけです。
榊神社の昔の名前は第六天神宮(だいろくてん じんぐう)ですが、これも第六天魔王から来ていると考えられます。恐らく、当時は第六天大魔王を全面に出した神社だったのでしょう。
明治時代になると、政府は神仏分離令(しんぶつ ぶんり れい)を発令しました。これは、神道と仏教、神さまと仏さま、そして神社と寺院を明確に区別する法律です。
神仏分離令のため、神社で仏教の第六天魔王を祀ることができなくなりました。そのため、榊神社では第六天魔王の名前を榊皇大神に変更したと推測します。
神社の名前を第六天神宮から榊神社に変更したのもこの頃です。
オモダルとアヤカシコネについて
オモダルとアヤカシコネは、神世七代(かみのよ ななよ)の第 6 世代の神さまです。神世七代とは、天と地ができた世界の始まりのときに現れた 7 世代の神さまのことです。
神世七代は、世代が進むごとにより進化しました。オモダルとアヤカシコネは、完全な身体と容貌を備えて現れた最初の神さまです。
オモダルは「見た目に不足がない」という意味です。また、アヤカシコネは「声に出して言うのも畏(おそ)れ多い」という意味です(昔の言葉の「あやにかしこし」です)。
両方を合わせると、「声に出して言うのも畏れ多いことですが、見た目に不足はありません」となります。つまり、この 2 柱の神さまは、見た目に非の打ち所がない、美男と美女の神さまです。
昔の人びとはオモダルとアヤカシコネにお参りすれば、自分たちも美しくなれると信じていました。今でもこの兄妹の神さまは、美しくなりたい人びとに人気です。
オモダルとアヤカシコネのご神徳(ご利益)の 1 つに「夫婦円満」があります。このご神徳も持つ神さまは「縁結び」も兼ねています。円満な夫婦になれる相手と縁を結んでくれるという解釈でしょう。
榊神社への行き方
榊神社は、隅田川の近くにあります(〒111-0051 東京都 台東区 蔵前 1-4-3)。近所に蔵前警察署や浅草中学校があるので、これを目印にしてもいいでしょう。
電車を使う
最寄りの駅は、浅草線の蔵前駅(A1 出口)です。ここから歩いて 5 分くらいで行くことができます。浅草線の浅草橋駅(A6 出口)や JR 総武線の浅草橋駅(東口)からでも歩くことができます。浅草橋駅からは歩いて 5 分くらいです。
めぐりんバスを使う
めぐりんバスで行きたい場合、南めぐりんが便利です。榊神社は、南めぐりんの柳橋分院入口 停留所(停留所の番号 : 11 番)から歩いて 1 分くらいです。
めぐりんバスは台東区のコミュニティ バスです。台東区を観光する場合、めぐりんバスはとても便利です。めぐりんバスの詳細については、つぎの記事を参照してください。
南めぐりんの停留所(乗り場)の詳細については、つぎの記事を参照してください。
浅草から歩く(おすすめ)
隅田川には隅田川テラスという歩道があります。この隅田川テラスからも榊神社に行くことができます。浅草の吾妻橋から榊神社までは徒歩 20 分くらいです。
隅田川テラスには、隅田川を描いた浮世絵などが飾られています。それらを見るのも楽しみのひとつです。また、東京スカイツリーとアサヒビールの本社ビルがよく見えるので、写真を撮るのも良いかもしれません。
浅草から榊神社まで隅田川テラス経由で歩く場合、つぎの記事を参照してください。