柳森神社(東京・千代田区)

柳森神社(東京・千代田区) 神社と寺院
柳森神社(東京・千代田区)

この記事では、柳森神社(やなぎもり じんじゃ)を紹介します。

柳森神社は、東京の千代田区にある、小さな神社です。この神社は、JR 線の秋葉原駅から徒歩 7 分のところにあります。神田川に架かる、神田ふれあい橋からも、この神社を見ることができます。

柳森神社の主祭神(中心となる神さま)は、農業の神さまである、倉稲魂大神(くらいなたま の おおかみ)です。この神さまは稲荷神(いなりしん)などの名前でも知られています。この神さまのご神徳(ご利益)は、商売繁盛、家内安全、芸事上達、その他です。

柳森神社を建てたのは、江戸城を築城したことで知られる、太田道灌(おおた どうかん)です。太田道灌がこの神社を建てた理由は、江戸城の鬼門を封じるためです。

この神社の境内社(境内にある、小さな神社)の 1 つに福寿神祠(ふくじゅしん し)があります。この祠に祀られている福寿神(ふくじゅしん)は、「おたぬきさま」の名前で親しまれています。この神さまは、出世と玉の輿のご神徳(ご利益)で有名です。

なお、この記事は英語版とやさしい日本語版もあります。詳細については、つぎの記事を参照してください。

由緒

柳森神社によると、この神社の始まりは 15 世紀にまでさかのぼります。

1458 年(長禄 2 年)、太田道灌(おおた どうかん)は、京都の伏見稲荷大社から稲荷神を江戸城に勧請(かんじょう)しました。これが柳森神社の始まりです。

太田道灌は、江戸城を建てた人です。伏見稲荷大社は、稲荷神社の総本宮(おおもとの神社)です。また、勧請とは、神さまや仏さまの分霊(分身)を他の場所で祀ることです。

太田道灌が柳森神社を建てた理由は、江戸城の鬼門(東北の方角)を守るためです。昔の人たちは、この方角から鬼がやってきて悪いことをすると信じていました。

江戸幕府は、江戸城の鬼門に神社や寺院を立てました。これにより、江戸城を良くないことから守ろうとしたのです。柳森神社もその神社のひとつです。そのため、江戸幕府は、柳森神社をとても大切にしました。

神さまとご神徳(ご利益)

柳森神社の主祭神(中心となる神)は、倉稲魂大神(くらいなたま の おおかみ)です。この神さまは、昔から人びとに稲荷神(いなりしん)の名前で親しまれています。

また、柳森神社には境内社が 7 つあり、そちらにもいろいろな神さまを祀っています。

倉稲魂大神(くらいなたま の おおかみ)

柳森神社の主祭神は、倉稲魂大神(くらいなたま の おおかみ)です。この神さまには、倉稲魂命(うか の みたま の みこと)や稲荷神(いなりしん)など、いろいろな別名があります。

倉稲魂大神は、穀物と農業の神さまです。主なご神徳(ご利益)は、商売繁盛、家内安全、芸事上達、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

福寿神(ふくじゅしん)

境内社の福寿神祠(ふくじゅしんし)は、福寿神(ふくじゅしん)を祀っています。福寿神祠には、木彫りのたぬきの像が納められています。そのため、福寿神は「おたぬきさん」の名前で親しまれています。

福寿神は、江戸幕府の第 5 代将軍である徳川綱吉(とくがわ つなよし)の生母の桂昌院(けいしょういん)が信仰していた神さまです。主なご神徳(ご利益)は、玉の輿、出世運、勝負運、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

伊弉冉命(いざなみ の みこと)

境内社の幸神社(さい の かみ の やしろ)は、伊弉冉命(いざなみ の みこと)を祀っています。夫のイザナギとともに、日本列島の島々やたくさんの神さまを産みました。

伊弉冉命は、国産みと神産みの神さまです。主なご神徳(ご利益)は、恋愛成就、夫婦円満、子孫繁栄、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

稚産霊命(わくむすひ の みこと)

境内社の幸神社は、稚産霊命(わくむすひ の みこと)を祀っています。稚産霊命は、イザナミが最後に生んだ神さまです。

稚産霊命は、穀物と養蚕の神です。主なご神徳(ご利益)は、五穀豊穣、農業守護、産業繁栄、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

倉稲魂命(うか の みたま の みこと)

境内社の幸神社は、倉稲魂命(うか の みたま の みこと)を祀っています。倉稲魂命は、柳森神社の主祭神の倉稲魂大神(稲荷神)と同じ神さまです。

倉稲魂命は、穀物と農業の神さまです。主なご神徳(ご利益)は、商売繁盛、家内安全、芸事上達、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

誉田別命(ほんたわけ の みこと)

境内社の幸神社は、誉田別命(ほんたわけ の みこと)を祀っています。誉田別命は、八幡神(はちまんしん)の別名を持ちます。この神さまは、第 15 代天皇である応神天皇(おうじん てんのう)を神格化したものです。

誉田別命は、戦いの神さまです。主なご神徳(ご利益)は、武運長久(戦いでの幸運が長く続くこと)、勝負運、厄除け、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

宇気母智神(うけもち の かみ)

境内社の明徳稲荷神社(めいとく いなり じんじゃ)は、宇気母智神(うけもち の かみ)を祀っています。宇気母智神は、柳森神社の主祭神の倉稲魂大神(稲荷神)と同じ神さまです。

宇気母智神は、穀物と農業の神さまです。主なご神徳(ご利益)は、商売繁盛、家内安全、芸事上達、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

大物主神(おおものぬし の かみ)

境内社の金刀比羅神社(ことひら じんじゃ)は、大物主神(おおものぬし の かみ)を祀っています。大物主神は、日本の基礎を築きあげた神さまです。もともとは蛇の姿をした祟り神さまだったと言われています。

大物主神は、国造りと農業の神さまです。主なご神徳(ご利益)は、国家守護、産業繁栄、商売繁盛、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

迦具土神(かぐつち の かみ)

境内社の秋葉大神(あきば の おおかみ)は、迦具土神(かぐつち の かみ)を祀っています。迦具土神はイザナミから生まれました。その際、イザナミは迦具土神の火が原因で亡くなっています。

迦具土神は、火の神さまです。主なご神徳(ご利益)は、火難避け、産業発展、金運上昇、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

木之花咲耶姫命(このはな さくやひめ の みこと)

境内社の富士宮浅間神社(ふじのみや せんげん じんじゃ)は、木之花咲耶姫命(このはな さくやひめ の みこと)を祀っています。この神さまは、富士山を象徴する女神です。桜の語源やかぐや姫のモデルとも言われています。

木之花咲耶姫命は、安産と子育ての神さまです。主なご神徳(ご利益)は、火難除け、安産、子授け、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

多紀理比賣命(たぎりひめ の みこと)

境内社の水神厳島大明神(すいじん いつくしま だいみょうじん)・島大明神(えのしま だいみょうじん)は、多紀理比賣命(たぎりひめ の みこと)を祀っています。この神さまは、スサノオの剣から生まれた宗像三女神の 1 柱です。

多紀理比賣命は、玄界灘(九州の北西の海域)を守護する水の女神です。主なご神徳(ご利益)は、 航海安全、交通安全、金運上昇、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

市寸島比賣命(いちきしまひめ の みこと)

境内社の水神厳島大明神・江島大明神は、市寸島比賣命(いちきしまひめ の みこと)を祀っています。この神さまは、スサノオの剣から生まれた宗像三女神の 1 柱です。また、七福神の弁財天(べんざいてん)と同じ神さまと言われています。

市寸島比賣命は、水と芸事の神さまです。主なご神徳(ご利益)は、商売繁盛、金運上昇、芸事上達、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

田寸津比賣命(たぎつひめ の みこと)

境内社の水神厳島大明神・江島大明神は、田寸津比賣命(たぎつひめ の みこと)を祀っています。この神さまは、スサノオの剣から生まれた宗像三女神の 1 柱(はしら)です。

田寸津比賣命は、玄界灘(九州の北西の海域)を守護する水の女神です。主なご神徳(ご利益)は、 航海安全、交通安全、金運上昇、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

見どころ

境内社(摂末社)

柳森神社の境内には、7 つの小さな神社があります。これを境内社(けいだいしゃ)と言います。摂末社(せつまつしゃ)と呼ぶこともあります。

柳森神社では、境内社ごとに違う神さまを祀っています。そのため、柳森神社をお参りすることで、いろいろなご神徳(ご利益)を期待できます。

また、それぞれの神さまのお使いも狐、狛犬、龍、そして狸とさまざまです。これらのお使いを見るのも楽しみのひとつです。

柳森神社の境内社と祀られている神さまは、次のとおりです。

幸神社(さい の かみ の やしろ)

  • 伊弉冉命(いざなみ の みこと)
  • 稚産霊命(わくむすひ の みこと)
  • 倉稲魂命(うか の みたま の みこと)
  • 誉田別命(ほんたわけ の みこと)

福寿神祠(ふくじゅしんし)

  • 福寿神(ふくじゅしん)

金刀比羅神社(ことひら じんじゃ)

  • 大物主神(おおものぬし の かみ)

水神厳島大明神(すいじん いつくしま だいみょうじん)・江島大明神(えのしま だいみょうじん)

  • 多紀理比賣命(たぎりひめ の みこと)
  • 市寸島比賣命(いちきしまひめ の みこと)
  • 田寸津比賣命(たぎつひめ の みこと)

秋葉大神(あきば の おおかみ)

  • 迦具土神(かぐつち の かみ)

明徳稲荷神社(めいとく いなり じんじゃ)

  • 宇気母智神(うけもち の かみ)

富士宮浅間神社(ふじのみや せんげん じんじゃ)

  • 木之花咲耶姫命(このはな さくやひめ の みこと)

おたぬきさん

福寿神祠には、たぬきの木像が祀られています。この木像は、「おたぬきさん」と呼ばれて親しまれています。

もともと福寿神祠は江戸城の内にありました。その時の名前は福寿稲荷(ふくじゅ いなり)です。この福寿稲荷を建てたのは、江戸幕府の第 5 代将軍である徳川綱吉(とくがわ つなよし)の生母の桂昌院(けいしょういん)です。

もともと桂昌院は八百屋の娘でしたが、最後には将軍の側室になりました。奥女中たち(将軍や大名の女中)は、桂昌院の幸運にあこがれました。そこで、彼女たちは、桂昌院が大切にしていた福寿稲荷を信仰しました。

1869 年(明治 2 年)、福寿稲荷は、柳森神社に移されました。その時に名前が福寿稲荷から福寿神祠になりました。いろいろなご利益がある神社として、今でも人びとは福寿神祠を信仰しています。

富士講関係石碑群

手水舎(ちょうずや)の右側には、富士講に関する石碑がたくさんあります。富士講とは、富士山を信仰することです。江戸時代、町人や農民の間で富士講が流行しました。

柳森神社にある富士宮浅間神社は、富士山本宮浅間大社と同じ神さまを祀っています。富士山本宮浅間大社は、富士山を信仰する神社の総本宮です。したがって、昔から柳森神社も富士講と関わりが深かったのです。

以前は、柳森神社の境内にも富士塚がありました。富士塚とは、富士山の形をした人工の山です。富士山に行くことができない人は、代わりに富士塚をお参りしました。

明治時代になると、富士講は人気がなくなりました。そして、柳森神社にあった富士塚も壊されました。その富士塚に使われていた岩や石碑などは、今でも残っています。それが、富士講関係石碑群です。

柳森神社の富士講関係石碑群は、当時の人びとの生活を知ることができる大切な資料です。そのため、千代田区は、この富士講関係石碑群を指定有形民俗文化財に指定しました。

力石群

柳森神社には、13 個の力石があります。力石とは、大小さまざまな丸い石のことです。江戸時代から明治時代にかけて、若者たちは、この力石を使って力だめしをしました。

柳森神社の力石は、当時の人びとの生活を知ることができる大切な資料です。そのため、千代田区は、この力石碑を指定有形民俗文化財に指定しました。

御衣黄桜

柳森神社の境内の中央には、桜の 1 種である御衣黄桜(ぎょいこう ざくら)が生えています。一般的な桜のソメイヨシノの花びらは淡いピンク色です。しかし、御衣黄桜の花びらは薄い緑色です。また、花の中心は赤みがかかっています。花が見ごろになるにつれ、より赤くなるのが特徴です。

花手水

柳森神社の社務所には、人がいつでもいるわけではありません。しかし、神社はとてもきれいに手入れされています。花手水(はなちょうず)は、その良い例です。

花手水とは、手水舎などに色あざやかな花を浮かべることです。柳森神社では、季節によっては紫陽花などが浮かべられいます。柳森神社の花手水は、参拝客の目を楽しませています。

各種情報

社務所の受付時間(開門時間)

  • 午前 7 時から午後 5 時まで(この時間以外は門が閉まっており、神社内に入ることができません)

住所

  • 〒101-0041 東京都 千代田区 神田須田町 2-25-1

地図

アクセス(電車)

  • JR 線の 秋葉原駅(中央改札口)から徒歩 7 分
  • 日比谷線の 秋葉原駅(3 番出口)から徒歩 7 分
  • つくばエクスプレス線の 秋葉原駅(A1 出口)から徒歩 7 分
  • 新宿線の 岩本町駅(A2 出口)から徒歩 3 分

公衆トイレの有無

  • なし

柳森神社の近所には、公衆トイレが 2 か所あります。どちらも徒歩 3 分くらいの距離です。

柳森神社を出て左に進むと昭和通りに突き当たります。昭和通りを左に曲がると和泉橋があります。和泉橋を渡ったところに公衆トイレがあります。

柳森神社を出て右に進むと中央通りに突き当たります。中央通りを右に曲がると万世橋があります。万世橋の手前に公衆トイレがあります。

参考

スポット(柳森神社)|【公式】東京都千代田区の観光情報公式サイト / Visit Chiyoda
千代田区観光協会
柳森神社【方除いなり】 - 東京都神社庁
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