東京下町めぐり:下町の商店街を楽しみながら浅草寺から吉原神社まで歩く

浅草寺(東京・台東区) 東京下町めぐり
浅草寺(東京・台東区)

東京下町ガイド の「東京下町めぐり」カテゴリでは、東京の下町エリアのおすすめ観光コースを取り上げています。毎回テーマを1 つ選び、ガイドなしでも気軽に楽しめるモデル コースを紹介します。

今回のテーマは「下町の商店街を散策する」です。具体的には、下町の商店街を通りながら 浅草寺(せんそうじ)から 吉原神社(よしわら じんじゃ)まで歩きます。

浅草寺と吉原神社はどちらも台東区にあり、お互いにそれほど距離が離れていません。また、浅草寺と吉原神社の間にはいくつかの商店街があります。

この記事では、浅草寺から吉原神社まで歩くコースの一例を紹介します。あなたが東京下町めぐりをする際の参考にしてください。なお、今回のツアーの時間の目安は 30 分ほどです。

ツアーの概要

今回の東京下町めぐりでは、浅草寺(せんそうじ)から 吉原神社(よしわら じんじゃ)まで歩きます。どちらも台東区にある人気のスポットで、お互いに距離もそれほど離れていません。

浅草寺は東京で有数の観光スポットであるため、いつも多くの観光客でにぎわっています。それに対して吉原神社はとても静かな環境にあります。今回のツアーでは、その対比を楽しむことができます。

浅草寺から吉原神社まで歩く場合、浅草国際通りを通るルートが一般的かもしれません。しかし、それでは面白くないため、今回は下町の商店街を通るルートを紹介します。

ガイドブックなどであまり取り上げないであろうルートを楽しみたい場合、今回の東京下町めぐりは最適です。

こんな人におすすめ

あなたが次のいずれかに該当する場合、今回の東京下町めぐりはおすすめです。

  • 浅草エリアであちらこちらを訪れたい。
  • 浅草名所七福神(あさくさ などころ しちふくじん)を徒歩で訪れたい。
  • 東京の下町エリアの商店街を楽しみたい。
  • できれば屋根付きのルートを歩きたい。
  • その他

時間の目安

  • 時間の目安:最短で 30 分くらい

集合場所と解散場所

  • 集合場所:浅草寺
  • 解散場所:吉原神社

訪問場所の一覧

  1. 浅草寺
  2. 花やしき通り
  3. 浅草ひさご通り商店街
  4. あさくさ千束通り商店街
  5. 京町通り
  6. 吉原神社
  7. 吉原弁財天

公衆トイレの場所

  • 浅草寺
  • 京町公園
  • 花園公園
  • その他

浅草寺の周辺のコンビニエンス ストアは、トイレの貸し出しをしていないので注意してください。

ツアーの詳細

基礎知識

浅草寺について

浅草寺(東京・台東区)
浅草寺(東京・台東区)

浅草寺は、約 1400 年の歴史を持つ、東京で一番古い寺院です。雷門(かみなりもん)や 宝蔵門(ほうぞうもん)など、浅草寺の広い境内にはさまざまな見どころがあります。

浅草寺の本尊は、聖観世音菩薩(しょう かんぜおん ぼさつ)です。浅草寺はこの仏さまの像を絶対秘仏としており、関係者にも公開していません。

聖観世音菩薩は慈悲の仏さまです。そのご利益は 諸願成就(しょがん じょうじゅ)です。この仏さまに強く願えばさまざまな願いが叶うといわれています。

浅草寺の本堂に向かって右側には 浅草神社(あさくさ じんじゃ)があります。浅草寺と浅草神社は同じ創建の由来を持ちます。

浅草寺と浅草神社は、どちらも 浅草名所七福神(あさくさ などころ しちふくじん)に数えられています。浅草名所七福神とは、東京都の台東区と荒川区にある 9 つの社寺に祀られている七福神のことです。

浅草寺の詳細については、次の記事を参照してください。

浅草神社の詳細については、次の記事を参照してください。

吉原神社について

吉原神社(東京・台東区)
吉原神社(東京・台東区)

吉原神社は、かつて近所に存在した 吉原遊廓(よしわら ゆうかく)と深い繋がりを持つ神社です。吉原遊廓とは、江戸幕府が公認した日本最大の遊郭です。

吉原遊郭敷地の内外には、吉原遊廓を守護する 5 つの稲荷神社がありました。それら 5 つの稲荷神社を 1 か所に合祀(ごうし)したのが吉原神社の始まりです。

その昔、吉原神社は吉原遊廓で働く女性たちの信仰を集めていました。女性の願いを叶えてくれる神社として、現在も吉原神社は女性たちに人気があります。

吉原神社から徒歩 1 分ほどの所に 吉原弁財天(よしわら べんざいてん)があります。こちらも吉原神社が管理する施設です。吉原弁財天は弁財天を祀っており、この弁財天は浅草名所七福神の 1 柱でもあります。

吉原神社の詳細については、次の記事を参照してください。

ルートの解説

浅草寺

浅草寺(東京・台東区)
浅草寺(東京・台東区)

今回の集合場所は 浅草寺(せんそうじ)です。浅草寺に電車で行く場合、銀座線の浅草駅(1 番出口)がおすすめです。その理由は、いくつかあります。

  • 改札から地上出口への導線が非常に良いこと(浅草線の浅草駅はひたすら歩きます)
  • 浅草寺に一番近いこと(つくばエクスプレス線の浅草駅は 600 メートルくらい離れています)
  • 便利な場所にエレーベーターがあること

上の写真からも分かるとおり、浅草寺はいつも非常に混んでいます。その混雑も浅草寺観光の一部であるため、のんびりと散策しましょう。

浅草寺(東京・台東区)
浅草寺(東京・台東区)

浅草寺の本堂で参拝を済ませたら、影向堂(ようごうどう)の前を通って 花やしき通り へ向かいます。影向堂は、浅草寺の本堂を正面に見て左側にあります。

影向堂は、聖観世音菩薩と 8 柱の 影向衆(ようごうしゅう)の像を祀っています。影向衆とは、聖観世音菩薩を支える仏さまのことです。

また、浅草寺は、ご朱印を影向堂で頒布しています。ご朱印の受け付け時間は、午前 8 時から午後 5 時までです。

花やしき通り

花やしき通り(東京・台東区)
花やしき通り(東京・台東区)

影向堂の前の道を進むと、花やしき通りに着きます。この通り沿いには、観光客向けの飲食店や土産物屋が並んでいます。

花やしき(東京・台東区)
花やしき(東京・台東区)

その名のとおり、花やしき通り沿いには、遊園地の 浅草花やしき があります。浅草花やしきは、1853 年(嘉永 6 年)にオープンした、日本で一番古い遊園地です。

1853 年(嘉永 6 年)は第 12 代将軍の 徳川 家慶(とくがわ いえよし)の時代です。また、アメリカの東インド艦隊の司令長官 ペリー が日本に開国を迫った 黒船来航 もこの年です。そう考えると、とても歴史を感じますね。

花やしきのローラー コースターは、日本で現存する中で一番古い最古のものとのことです。私も乗ったことがありますが、最新のローラー コースターよりは怖くなかった記憶があります。

浅草ひさご通り商店街

浅草ひさご通り商店街(東京・台東区)
浅草ひさご通り商店街(東京・台東区)

花やしき通りを進むと、浅草ひさご通り商店街 に着きます。「ひさご」とは、「瓢箪(ひょうたん)」のことです。かつて、この商店街の近くに 瓢箪池(ひょうたん いけ)と呼ばれる池があったことが名前の由来です。

浅草ひさご通り商店街(東京・台東区)
浅草ひさご通り商店街(東京・台東区)

浅草ひさご通り商店街は、180 メートルほどのアーケード商店街です。屋根があるため、日差しの強い日や雨の日などはとても助かります。

花やしき通りは観光客向けの店ばかりですが、浅草ひさご通り商店街は、地元住民向けの店も並んでいます。そのため、雰囲気もぐっと落ち着いた感じです。

あさくさ千束通り商店街

浅草ひさご通り商店街(東京・台東区)
浅草ひさご通り商店街(東京・台東区)

浅草ひさご通り商店街を過ぎると、言問通り(こととい どおり)に突き当たります。あさくさ千束通り商店街 は、言問通りを渡ったところにあります。

あさくさ千束通り商店街(東京・台東区)
あさくさ千束通り商店街(東京・台東区)

あさくさ千束通り商店街は、千束通りに沿って続く 1200 メートルほどの商店街です。浅草ひさご通り商店街と同様、歩道には屋根があるため、日差しの強い日や雨の日などはとても助かります。

あさくさ千束通り商店街は、地元住民向けの店が並びます。この周辺まで来ると観光客の姿をほとんど見かけません。この商店街を歩くと、東京の下町の人たちの生活の雰囲気を味わうことができます。

この商店街を含む、浅草寺から見て言問通りの向こう側の地域は、奥浅草(おくあさくさ)と呼ばれています。細い路地を入ったところにおしゃれなカフェやレストランなどが散在しています。

山口屋(東京・台東区)
山口屋(東京・台東区)

あさくさ千束通り商店街をさらに進むと、左側に 山口家本店(やまぐちや ほんてん)があります。個人的にお気に入りの店です。

山口家本店は食堂を兼ねた甘味処です。そのレトロな店内は、昭和の時代にタイムスリップしたような錯覚を覚えます。

個人的にこの店で一番のおすすめはみたらし団子です。団子がとてもやわらくて気に入っています。1 本 100 円ほどですが、週末はさらに割り引き価格になっています。浅草のお土産として重宝しています。

千束(東京・台東区)
千束(東京・台東区)

山口家本店を過ぎて最初の交差点を左に曲がります。グーグルマップではこの交差点に鮒忠本店があることになっていますが、だいぶ前からその店は存在しません。

京町通り

花園通り(東京・台東区)
花園通り(東京・台東区)

千束通りから 1 分ほど歩くと 花園通り(はなぞの どおり)に着きます。花園通りの向こう側が吉原遊廓だった地域です。

引用元:国立国会図書館の「江戸切絵図(今戸箕輪浅草絵図)」

ファミリーマート台東千束店の横の道が 京町通り(きょうまち どおり)です。江戸時代の地図の 江戸切絵図(えど きりえず)では、京町二丁目と書かれている部分です。

今回は京町通りを進みます。

京町通り(東京・台東区)
京町通り(東京・台東区)

ファミリーマート台東千束店の裏に細い路地があります。吉原遊廓があった時代、このあたりは 羅生門河岸(らしょうもん がし)と呼ばれていました。

羅生門河岸は吉原遊廓で最下層の地域でした。漫画・アニメ「鬼滅の刃」の上限の鬼である妓夫太郎と堕姫が生まれ育ったのがこのあたりです。

京町通り(東京・台東区)
京町通り(東京・台東区)

京町通りをそのまま進みます。吉原遊郭があった場所とはいえ、この通りは住宅街が並んでいます。そのため、あまりおもしろくないかもしれません。

途中、左側に京町公園があります。この公園には公衆トイレが設置されています。また、京町公園の裏には細い路地が続いています。これは吉原神社を囲っていた お歯黒どぶ の跡地です。

京町通り(東京・台東区)
京町通り(東京・台東区)

京町通りを進むと、千束保健センター交差点 に着きます。この交差点を左に曲がると 吉原神社(よしわら じんじゃ)はもうすぐです。

千束保健センター交差点では、京町通りと 仲之町通り(なかのちょう どおり)が交差します。仲之町通りは、吉原遊廓のメイン ストリートでした。

千束保健センター交差点から吉原神社の手前あたりにかけてを 水道尻(すいど じり)と呼ばれていました。これは、千束保健センター交差点あたりに井戸があったこと、吉原遊廓の最奥の場所であったことが理由です。

吉原神社

吉原神社(東京・台東区)
吉原神社(東京・台東区)

千束保健センター交差点から仲之町通りを 1 分ほど歩くと、吉原神社(よしわら じんじゃ)に到着します。

吉原神社の鳥居に向かって左側には、この神社の神木である、逢初桜(あいぞめ さくら)が出迎えてくれます。逢初とは、恋い焦がれる人との出会いを意味します。

逢初桜は、もともとは吉原大門の近くに植えられていました。江戸時代から男性客はこの桜の木にすてきな出会いを祈願してから吉原遊郭に入っていたとのことです。

私の友人によると、ごくまれに吉原神社の境内で福猫が昼寝をしているとのことです。私自身はその福猫を目撃したことはないので、いつか会えることを期待しています。

仲之町通り(東京・台東区)
仲之町通り(東京・台東区)

吉原神社から仲之町通りを進むと、道が S 字にカーブしています。これも吉原遊廓の時代の名残りです。

千束保健センター交差点から吉原神社に向かって仲之町通りを歩いたとき、吉原神社の手前辺りに吉原遊郭の裏門がありました。

裏門から先の道を S 字カーブにすることで、裏門の外から吉原遊廓の中が直接見えないようにしていたと考えられます。

吉原弁財天

吉原弁財天(東京・台東区)
吉原弁財天(東京・台東区)

吉原神社から仲之町通りをさらに 1 分ほど歩くと、吉原弁財天(よしわら べんざいてん)に到着します。吉原弁財天は、浅草名所七福神の 弁財天(べんざいてん)を祀っています。

吉原弁財天の境内には、吉原観音像(よしわら かんのん ぞう)があります。吉原観音像は、1923 年(大正 12 年)の関東大震災の犠牲者を供養しています。

桜の季節になると、桜の花を背景にした吉原観音像を見ることができます。季節限定ですが、とてもおすすめです。詳細については、次の記事を参照してください。

台東病院

台東病院(東京・台東区)
台東病院(東京・台東区)

吉原神社の近くに 台東病院 があります。台東病院の敷地には、めぐりんバス の停留所があります。帰りはめぐりんバスを使うことをおすすめします。

めぐりんバス は、台東区が運営するコミュニティ バスです。当サイトでは、めぐりんバスをおすすめしています。その理由は、格安な乗車料金(100 円)で台東区のいろいろな場所に行くことができるからです。

台東病院にあるめぐりんバスの停留所からは、以下の 3 つのルートが出ています。

  • 北めぐりん(浅草まわり):浅草駅や三ノ輪駅を通るルートです。
  • 北めぐりん(根岸まわり):三ノ輪駅や鶯谷駅を通るルートです。
  • 南めぐりん:上野駅、新御徒町駅、浅草橋駅を通るルートです。

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