榊神社(東京・台東区)

第六天榊神社(東京・台東区) 神社と寺院
第六天榊神社(東京・台東区)

この記事では、榊神社(さかき じんじゃ)を紹介します。

榊神社は、東京の台東区にある神社です。以前の名称が第六天神宮(だいろくてん じんぐう)だったこともあり、今でもこの神社を第六天榊神社(だいろくてん さかき じんじゃ)と呼ぶ場合があります。

この神社は、浅草線の蔵前駅から徒歩 3 分のことろにあります。浅草線や JR 線の浅草駅から歩いた場合でも 5 分くらいです。

榊神社の主祭神(中心となる神さま)は、榊皇大神(さかきの すめおおかみ)です。この神さまのご神徳(ご利益)は、健康長寿と諸業繁栄です。

榊神社を建てたのは、日本武尊(やまとたける の みこと)です。 日本武尊が東国を平定に行く途中、この地に面足尊(おもだる の みこと)と惶根尊(かしこね の みこと)を祀ったのが始まりです。

関東地方には、名前に「第六天」を含む神社がいくつかあります。榊神社は、それらの総本宮です。

由緒(歴史)

第六天榊神社(東京・台東区)
第六天榊神社(東京・台東区)

榊神社によると、この神社の始まりは 2 世紀にまでさかのぼります。

第 12 代天皇である、景行天皇(けいこう てんのう)の時代のことです。当時、景行天皇と大和朝廷(やまと ちょうてい)は勢力の拡大を目指していました。

その一環として、景行天皇は、自分の次男の日本武尊(やまとたける の みこと)に東国(とうごく)を平定するように命じました。これを「東夷征伐(とうい せいばつ)」といいます。

東国とは、現在の関東地方と東北地方のことです。また、住む人たちを東夷(とうい)と言います。大和朝廷が東国を支配するためには、東夷を自分たちに従わせる必要があったのです。

110 年(景行 40 年)、日本武尊は、東夷征伐に出発しました。その途中、彼は鳥越山(とりごえやま)を通りました。鳥越山は現在の蔵前のことです。

日本武尊は、鳥越山に 2 柱(はしら)の神さまをを祀る神社を建てました。その神さまが面足尊(おもだる の みこと)と惶根尊(かしこね の みこと)です。

面足尊と惶根尊は、神世七代(かみのよ ななよ)の第 6 世代の神さまです。神世七代とは、日本神話で天地が作られたときに誕生した 7 世代の神さまのことです。

日本に仏教が入ってくると、神仏習合(しんぶつ しゅうごう)という考えが生まれました。神仏習合は、神道と仏教を融合したものです。神仏混淆(しんぶつ こんこう)ともいいます。

神仏習合によると、日本に昔からいる神さまは、仏教の仏さまや神さまが変化(へんげ)した姿とのこと。面足尊と惶根尊の場合は、第六天魔王(だいろくてん まおう)が変化した姿です。

榊神社の昔の名前は第六天神宮(だいろくてん じんぐう)ですが、これも第六天魔王から来ていると考えられます。

江戸時代になると、徳川幕府は、第六天神宮のある鳥越山を切り崩すことにしました。その理由は、江戸城を建てるために必要な用土を確保するためです。

1719 年(享保 4 年)、江戸幕府の要請を受け、第六天神宮は鳥越山から柳橋に移りました。

当時、第六天神宮の近くの隅田川沿いには浅草御蔵(あさくさ おくら)がありました。浅草御蔵は、江戸幕府最大の米蔵です。浅草御蔵の総鎮守として、江戸幕府は第六天神宮を大切にしました。

1873 年(明治 6 年)、神仏分離令に伴い、第六天神宮は、名前を榊神社(さかき じんじゃ)に変更しました。1928 年(昭和 3 年)、榊神社は、蔵前の東京高等工業学校の跡地に移りました。

補足

ここでは第六天魔王について補足します。

仏教には、六道(ろくどう)という考えがあります。六道とは、つぎの 6 つの世界のことです。

  • 天道(てんどう)
  • 人間道(にんげんどう)
  • 修羅道(しゅらどう)
  • 畜生道(ちくしょうどう)
  • 餓鬼道(がきどう)
  • 地獄道(じごくどう)

仏教の考えによると、六道は苦しみと迷いの世界です。私たちは、この六道のいずれかに何度も転生するとのことです。

六道の中で一番上にあるのが天道です。この天道は、上から順に無色界(むしきかい)、色界(しきかい)、そして、欲界(よくかい)の 3 つの世界に分かれます。

欲界は、六欲天(ろくよくてん)とよばれる 6 つの世界に分かれます。六欲天は、上から順につぎのとおりです。

  • 他化自在天(たけじざいてん)
  • 楽変化天(けらくてん)
  • 覩史多天(とそつてん)
  • 夜魔天(やまてん)
  • 三十三天(さんじゅうさんてん)
  • 四大王衆天(しだいおうしゅてん)

他化自在天は、六欲天の最高位で第六天(だいろくてん)ともいいます。ここには天魔(てんま)が住んでいます。天魔とは、仏教の修業を妨げる悪魔のことです。

その名のとおり、第六天魔王は、第六天である他化自在天に住んでいる魔王です。第六天魔王を他化自在天と呼ぶ場合もあります。

祀られている神さまとご神徳(ご利益)

榊皇大神(さかき の すめ おおみかみ)

榊神社の主祭神は、榊皇大神(さかき の すめ おおみかみ)です。この神さまは、もともと仏教の第六天魔王です。明治時代の神仏分離(しんぶつ ぶんり)により、名前を変更して仏教色を薄めたと思われます。

榊神社によると、この神さまのご神徳(ご利益)は、健康長寿(健康で長生きできる)と諸業繁栄(いろいろな産業が繁栄する)です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

面足尊(おもだる の みこと)

面足尊(おもだる の みこと)は、神世七代(かみのよ ななよ)の第 6 世代の神さまです。神仏習合によると、この神さまは、仏教の第六天魔王が変化(へんげ)した姿といわれています。

面足尊と妹の惶根尊(かしこね の みこと)は、どちらも見た目がとても美しい神さまです。そのため、昔の人びとは、この神さまたちをお参りすれば自分も美しくなれると考えました。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

惶根尊(かしこね の みこと)

惶根尊(かしこね の みこと)は、神世七代(かみのよ ななよ)の第 6 世代の神さまです。神仏習合によると、この神さまは、仏教の第六天魔王が変化(へんげ)した姿といわれています。

惶根尊と兄の面足尊(おもだる の みこと)は、どちらも見た目がとても美しい神さまです。そのため、昔の人びとは、この神さまたちをお参りすれば自分も美しくなれると考えました。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

倉稲魂命(うか の みたま の みこと)

境内社の七福稲荷神社(しちふく いなり じんじゃ)と繁盛稲荷社(はんじょう いなり しゃ)は、倉稲魂命(うか の みたま の みこと)を祀っています。

倉稲魂命は、稲をつかさどる神さまです。同じく稲をつかさどる神さまの稲荷神(いなりしん)と同一視されます。

倉稲魂命は、穀物と農業の神さまです。この神さまの主なご神徳(ご利益)は、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、芸事上達、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

大己貴命(おおなむち の みこと)

境内社の事比羅神社(ことひら じんじゃ)は、大己貴命(おおなむち の みこと)を祀っています。大国主命(おおくにぬし の みこと)とも呼ばれます。

因幡の白兎の話で、ウサギを助けた(治療のアドバイスを与えた)のが大己貴命です。そのため、大己貴命は医薬の神さまとしてもみなされるようになりました。

大己貴命は、国造り、医薬、縁結びの神さまです。この神さまの主なご神徳(ご利益)は、商売繁盛、病気平癒、夫婦和合、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

豊受姫命(とようけひめ の みこと)

境内社の豊受神社(とようけ じんじゃ)は、豊受姫命(とようけひめ の みこと)を祀っています。この神さまは、天照大御神(あまてらす おおみかみ)の食事をつかさどる神さまです。

豊受姫命は、穀物、食物、産業の神さまです。この神さまの主なご神徳(ご利益)は、農業守護、漁業守護、産業繁栄、商売繁盛、その他です。

この神さまの詳細については、つぎの記事を参照してください。

見どころ

美容と健康のご神徳(ご利益)

榊神社は、榊皇大神、つまり、第六天魔王を祀っています。第六天魔王は、仏教の六欲天(ろくよくてん)の第六天に住む魔王が変化(へんげ)した姿です。

神仏習合(しんぶつ しゅうごう)では、第六天魔王は、面足尊(おもだる の みこと)と惶根尊(あやかしこね の みこと)の兄妹の神さまとされています。

その理由は、面足尊と惶根尊は神世七代(かみのよ ななよ)の第六世代の神さまだからです。昔の人たちは、第六天と第六世代を結びつけたわけです。

面足尊と惶根尊は、どちらも見ため目がとても美しい神さまです。昔の人びとは、これらの美しい神さまにお参りすれば自分たちも美しくなれると考えました。

つまり、榊神社にお参りすれば、あなたも面足尊と惶根尊から美容と健康のご神徳(ご利益)を受け取れるかもしれません。

詳細については、つぎの記事を参照してください。

浅草文庫跡碑

繁盛稲荷社(はんじょう いなり しゃ)の鳥居の横には浅草文庫跡碑があります。鳥居と木に囲まれているため、場所が分かりにくいかもしれません。

現在、榊神社のある場所には浅草文庫がありました。浅草文庫は、1874 年(明治 7 年)から 1881 年(明治 14 年)にあった公立の図書館です。

この図書館は、徳川幕府が持っていたいろいろな本を保管していました。その数は 11 万冊から 13 万冊あったといわれています。

下町八福神(健康長寿)

榊神社は、下町八福神(したまち はちふくじん)の 1 つです。下町八福神とは、東京の中央区と台東区にある 8 つの神社のことです。

下町八福神では、それぞれの神社ごとに異なるご神徳(ご利益)があります。榊神社のご神徳は「健康長寿」です。

下町八福神すべてを参拝することを「下町八福神めぐり」や「下町八社福参り」といいます。下町八福神めぐりは、地域おこしの一環として 1981 年(昭和 56 年)に始まりました。

その名のとおり、下町八福神はすべて東京の下町にあります。8 つの神社をめぐることで、下町の名所旧跡を楽しんだり、下町情緒を味わったりできます。

下町八福神の詳細については、つぎの記事を参照してください。

各種情報

社務所の受付時間

  • 午前 9 時から午後 4 時まで

電話番号

  • 03-3851-1514

住所

  • 〒111-0051 東京都 台東区 蔵前 1-4-3

地図

アクセス(電車)

  • 浅草線の 蔵前駅(A1 出口)から徒歩 3 分
  • 浅草線の 浅草橋駅(A6 出口)から徒歩 5 分
  • JR 総武線の 浅草橋駅(東口)から徒歩 5 分
  • 大江戸線の 蔵前駅(A7 出口)から徒歩 10 分

アクセス(めぐりんバス)

  • 南めぐりんの 柳橋分院入口 停留所(停留所番号:11 番)から徒歩 1 分
  • ぐるーりめぐりんの 環境ふれあい館ひまわり入口 停留所(停留所の番号:23 番)から徒歩 5 分

めぐりんバスは台東区のコミュニティ バスです。台東区を観光する場合、めぐりんバスはとても便利です。めぐりんバスの詳細については、つぎの記事を参照してください。

南めぐりんとぐるーりめぐりんの停留所(乗り場)の詳細については、つぎの記事を参照してください。

アクセス(都営バス)

  • 都営バス(23 区)の 蔵前一丁目 停留所 から徒歩 1 分

公衆トイレの有無

  • 境内にはありません

第六天榊神社の近所には、つぎの公衆トイレがあります。どちらも神社から歩いて 1 分弱です。

  • 須賀橋交番の隣(この交番は、神社の鳥居を出て右に曲がるとあります)
  • 御蔵前 公園(この公園は、神社の裏にあります)

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