見どころ：浅草寺の白髪の弁財天

当ブログの「見どころ」カテゴリでは、東京の下町エリアにある観光名所を紹介しています。あなたの東京観光におすすめのスポットを毎回 1 か所取り上げます。

今回取り上げるのは、台東区にある 浅草寺（せんそうじ）の 弁天堂（べんてんどう）です。

浅草寺には 弁財天（べんざいてん）を祀っている場所が 2 か所あります。それが 銭塚弁財天（ぜにづかべんざいてん）と 弁天堂 です。今回の記事では弁天堂の弁財天を紹介します。

弁財天は、芸事や金運の神さまです。この神さまの主なご神徳（ご利益）は、商売繁盛、金運上昇、芸事上達、その他です。

浅草寺の弁天堂の弁財天は、見た目が個性的です。通常、弁財天は若い女の人の姿をしています。しかし、弁天堂の弁財天は髪の毛が白いため、老女弁天（ろうじょべんてん）と呼ばれています。

この記事では、老女弁天と弁天堂の詳細を紹介します。あなたが東京下町めぐりや浅草観光をする際の参考にしてください。

なお、この記事は英語版もあります。詳細については、つぎの記事を参照してください。

弁天堂について

弁天堂（べんてんどう）は、弁天山（べんてんやま）と呼ばれる小高い丘の上にあります。丘といっても階段 15 段ほどの高さです。また、弁天山は浅草寺の境内の南東にあります。

江戸時代の浮世絵師である 歌川広重（うたがわひろしげ）は、弁天山をモチーフに作品を制作しています。それを見ると、弁天山の周囲にはかつて池があったことがわかります。

浅草寺の弁天堂は、2 体の弁財天の像を祀っています。腕が 2 本の 二臂弁財天（にひべんざいてん）と腕が 8 本の 八臂弁財天（はっぴべんざいてん）です。老女弁天は前者です。

一般的に七福神として描かれる弁財天は、長い黒髪が特徴の若くて美しい女神です。そして、その手には琵琶（びわ）などの楽器を持っています。

しかし、浅草寺の弁天堂の二臂弁財天は、髪の毛が白いため老女弁天と呼ばれています。また、鎧をまとっており、その手には剣を持っています。そして、頭には 宇賀神（うがじん）を乗せています。宇賀神は、頭が老人の男性、体が蛇の幸運の神さまです。

弁財天は、もともとヒンドゥーの芸術・学問を司る女神の サラスヴァティ です。その後、仏教に取り込まれ、仏さまを守る戦いの神さまとなりました。弁天堂の八臂弁財天は、その 8 本の腕すべてに武器を持っています。

浅草寺によると、浅草寺の老女弁天は、神奈川県の 江ノ島弁天（えのしまべんてん）と千葉県の 布施弁天（ふせべんてん）と並んで 関東三弁天 として知られています。

老女弁天が公開されているのは 巳（み）の日 だけです。弁財天の使いは蛇であるため、巳の日は弁財天の縁日です。また、この日は午前 10 時と午後 2 時に法要が行われます。

以前、午前 8 時 30 分に弁天堂を訪問したときは、弁財天はまだ公開されていませんでした。つぎに午前 9 時過ぎに訪問したときは公開されていました。恐らく、巳の日の午前 9 時に公開されると思われます。

中国から来た考え方の 1 つに十二支（じゅうにし）があります。

十二支は、子（ね）、丑（うし）、寅（とら）、卯（う）、辰（たつ）、巳（み）、午（うま）、未（ひつじ）、申（さる）、酉（とり）、戌（いぬ）、亥（い）の 12 種類の動物のことです。

十二支の使い方として、年、月、そして、日に割り当てるというのがあります。そして、「巳の日」は、十二支の巳が割り当てられた日のことです。

昔から「巳の日」は、弁財天と縁（ゆかり）のある日とされています。その理由は、弁財天のお使いがヘビだからです（巳とはヘビのことです）。

弁財天は金運の神さまです。したがって、昔の人たちは、「巳の日」に弁財天をお参りすると、より金運がアップすると考えました。

上記のうち、赤い字の日付は「己巳（つちのとみ）の日」です。「巳の日」の中でも特に縁起が良い日とされています。

上記のうち、赤い字の日付は「己巳（つちのとみ）の日」です。「巳の日」の中でも特に縁起が良い日とされています。

時の鐘は、弁天山にあります。この鐘は毎朝午前 6 時に撞（つ）かれています。午前 6 時になるとこの鐘の前に地元の人が集合して僧侶が鐘を撞くのを見学しています。

以前、1 度だけ午前 6 時に弁天山の時の鐘を見学したことがあります。ただ、その後にすることがなくて困った記憶があります。

雷門の横にあるスターバックスコーヒー雷門店は午前 7 時に開店です。新仲見世通りのマクドナルドは午前 6 時 30 分に開店です。その時はマクドナルドが開店するまで時間を潰すことになりました。