長國寺(東京・台東区)

長國寺(東京・台東区) 神社と寺院
長國寺(東京・台東区)

この記事では、長國寺(ちょうこくじ)を紹介します。

長國寺は、東京の台東区 千束にある、法華宗 本門流(ほっけしゅう ほんもんりゅう)の寺院です。正式名称は、鷲在山 長國寺(じゅざいさん ちょうこくじ)です。

この寺院は、日比谷線の入谷駅や三ノ輪駅から徒歩 7 分くらいの場所にあります。すぐ近所には鷲神社(おおとり じんじゃ)があります。

長國寺は、毎年 11 月に鷲神社と共同で「浅草酉の市(あさくさ とりのいち)」を開いています。「浅草酉の市」は、日本で最大規模の酉の市です。

由緒(歴史)

長國寺によると、この寺院の始まりは 17 世紀にまでさかのぼります。そして、その歴史は近所にある鷲神社と深い関係があります。

その昔、長國山 鷲山寺(ちょうこくざん じゅせんじ)に日乾(にっけん)という僧侶がいました。鷲山寺は、千葉県の茂原 鷲巣(わしのす)にある、法華宗 本門流の大本山の寺院です。

日乾は、 鷲山寺の第 13 代住職です。また、彼は、安土桃山時代の大名である石田三成(いしだ みつなり)の子どもといわれています。

1630 年(寛永 7 年)、日乾は、浅草 鳥越町(あさくさ とりこえちょう)に長國寺を建てました。浅草 鳥越町は江戸時代の地名で、後に浅草 元鳥越町と改名されました。現在の台東区 鳥越 2 丁目あたりです。

1669 年(寛文 9 年)、長國寺は現在地に移転しました。長國寺によると、移転には坂本伝衛門(さかもと でんえもん)の支援があったとされています。なお、坂本伝衛門の詳細は不明です。

1771 年(明和 8 年)、長國寺の第 13 代住職である日玄(にちげん)は、鷲山寺から長國寺に鷲妙見大菩薩(わし みょうけん だいぼさつ)を勧請(かんじょう)しました。

鷲妙見大菩薩は、剣を持って鷲の背に乗った妙見菩薩(みょうけん ぼさつ)です。妙見菩薩は、北極星や北斗七星を神格化した存在です。

勧請にはいろいろな意味があります。この場合の勧請とは、神さまや仏さまの分霊(ぶんれい)を他の場所で祀ることです。分霊しても元の神さまや仏さまに影響はないとされています。

鷲妙見大菩薩は、「おとりさま」や「鷲大明神(わし だいみょうじん)」とも呼びます。仏教の菩薩に神さまの尊称「大明神」を使うことを不思議に思う人もいるかもしれません。

昔の日本には、神仏習合(しんぶつ しゅうごう)という考えがありました。これは神道と仏教を融合した考えです。神仏習合は、神仏混淆(しんぶつ こんこう)ともいいます。

神仏習合によると、日本に昔からいる神さまは、仏教の仏さまが人びとを救うために仮の姿としてこの世に現われた存在です。だから、鷲妙見大菩薩を鷲大明神と呼んでも問題ないのでしょう。

当時、長國寺は、境内の番神堂(ばんじんどう)に鷲妙見大菩薩を祀っていました。番神堂は「鷲大明神の社」や「鷲の宮」とも呼ばれていました。

「社(やしろ)」も「宮」も神社を指すときに使う言葉です。ことから、番神堂は、長國寺が管理する神社という立ち位置にあったのでしょう。

1868 年(明治元年)、明治政府は神仏分離令(しんぶつ ぶんり れい)を発令しました。これは、神道と仏教、神さまと仏さま、そして神社と寺院を明確に区別する法律です。

神仏分離令により、寺院である長國寺は、神社としての番神堂を管理することができなくなりました。そのため、番神堂は長國寺から独立し、鷲神社になりました。これも 1868 年(明治元年)のことです。

不思議なことに、鷲妙見大菩薩(鷲大明神)を祀っているのは、今でも長國寺です。鷲神社の祭神に鷲大明神の名前はありません。

鷲神社の詳細については、つぎの記事を参照してください。

仏さまとご利益

十界曼荼羅(じっかい まんだら)

鷲妙見大菩薩(わし みょうけん だいぼさつ)

長國寺では、鷲妙見大菩薩(わし みょうけん だいぼさつ)を祀っています。

鷲妙見大菩薩は、剣を持って鷲の背に乗った妙見菩薩(みょうけん ぼさつ)です。そのため、「鷲大明神」や「おとりさま」とも呼ばれます。

妙見菩薩は、北極星と北斗七星を仏格化した存在です。昔の人びとは北極星は宇宙の中心であり、星々のなかで最高位にあると考えました。

長國寺の鷲妙見大菩薩は、破軍星(はぐんせい)を戴いて現れた妙見大菩薩といわれています。破軍星は、北斗七星の柄先の星(おおぐま座のイータ星)の中国名です。

昔の人びとは、破軍星を武運長久(ぶうん ちょうきゅう)の守り神と考えました。武運長久とは、戦いでの幸運が長く続くことです。

昔の人びとは破軍星を剣先に見立て、その方向を不吉な方角と考えたのです。そして、その方向を向かって勝負や戦いに挑むと負けないとも考えました。

このことから、鷲妙見大菩薩は人びとを良い方向に導く仏さまです。長國寺では、鷲妙見大菩薩を開運幸福の守り本尊としています。

見どころ

酉の市(とりのいち)

酉の市(とりのいち)は、毎年 11 月の酉の日に行われる、商売繁盛を願う祭です。この祭は江戸時代から続く、年末の風物詩です。

長國寺は、酉の市を鷲神社と共同で開催しています。長國寺と鷲神社は、自分たちの酉の市を「浅草酉の市」と呼んでいます。

「浅草酉の市」は、日本最大の規模を誇る酉の市です。ウィキペディアによると、この酉の市には毎年 70 万人から 80 万人の人出があるとのことです。

「浅草酉の市」が人気になった理由は大きく 2 つあります。浅草が近くて便利な場所であったこと、そして、近所に吉原遊郭(よしわら ゆうかく)があったことです。

吉原遊郭は高い塀で囲まれており、さらにその外側はお歯黒どぶに囲まれていました。お歯黒どぶは幅 9m くらいの堀です。これらは、中で働く女の人が逃げられないようにする仕組みです。

普段、吉原遊郭の出入り口は吉原大門(よしわら おおもん)のみでした。長國寺は吉原遊廓の近所ですが、吉原大門は長國寺からは不便な場所にありました。

「浅草酉の市」の日のみ、吉原遊郭はお歯黒どぶに跳ね橋をかけました。これにより、遠回りをしなくても吉原遊郭に入ることができました。そのため、「浅草酉の市」の帰りに遊郭で遊ぶ人たちが多かったとのことです。

あじさい祭

長国寺のあじさい祭(東京・台東区)
長国寺のあじさい祭(東京・台東区)

長國寺は、毎年 6 月に「いきいき浅草あじさい祭」を開催しています。この祭は「夏のお酉さま(酉の市)」とも呼ばれます。

奥浅草観光協会 によると、長國寺の「いきいき浅草あじさい祭」の始まりは江戸時代の後期です。

ある年の夏、流行り病(はやりやまい)が蔓延しました。そこで、江戸幕府は長國寺に「悪病退散」の祈願をお願いしたのです。その甲斐もあり、流行り病は収まりました。

これをきっかけとして、長國寺では夏に門前市が開かれるようになりました。これが現在の「いきいき浅草あじさい祭」です。

「いきいき浅草あじさい祭」では、全国から集められたさまざまな品種のあじさいを楽しむことができます。公式サイトによると、2021 年(令和 3 年)の祭では 100 種類のあじさいが集結しました。

この祭では、「籠(かご)あじさい」を買うこともできます。これは、竹製の釣りかごに入ったあじさいの鉢植えのことです。籠あじさいを買うことができるのは、この祭のみとのことです。

長国寺のあじさい祭(東京・台東区)
長国寺のあじさい祭(東京・台東区)

各種情報

寺務所の受付時間

  • 午前 8 時から午後 5 時まで

電話番号

  • 03-3872-1667

住所

  • 〒111-0031 東京都 台東区 千束 3-19-6

地図

アクセス(電車)

  • 日比谷線の 入谷駅(3 番出口)から徒歩 8 分
  • 日比谷線の 三ノ輪駅(1b 出口)から徒歩 7 分
  • つくばエクスプレス線の 浅草駅(A1 出口)から徒歩 11 分

アクセス(めぐりんバス)

  • 北めぐりん(浅草まわり)の 一葉記念会館入口 停留所(停留所の番号:15 番)から徒歩 2 分
  • 北めぐりん(浅草まわり)の 台東病院 停留所(停留所の番号:17 番)から徒歩 5 分
  • 北めぐりん(根岸まわり)の 一葉記念会館入口 停留所(停留所の番号:6 番)から徒歩 2 分
  • 北めぐりん(根岸まわり)の 台東病院 停留所(停留所の番号:1 番)から徒歩 5 分
  • 南めぐりんの 台東病院 停留所(停留所の番号:28 番)から徒歩 5 分

めぐりんバスは台東区のコミュニティ バスです。台東区を観光する場合、めぐりんバスはとても便利です。めぐりんバスの詳細については、つぎの記事を参照してください。

北めぐりん(浅草まわり)、北めぐりん(根岸まわり)、そして、南めぐりんの停留所(乗り場)の詳細については、つぎの記事を参照してください。

アクセス(都営バス)

  • 都営バス(都 08)の 竜泉 停留所 から徒歩 3 分
  • 都営バス(都 08)の 千束 停留所 から徒歩 4 分
  • 都営バス(草 43)の 竜泉 停留所 から徒歩 3 分
  • 都営バス(草 43)の 千束 停留所 から徒歩 4 分
  • 都営バス(草 63)の 竜泉 停留所 から徒歩 3 分
  • 都営バス(草 63)の 千束 停留所 から徒歩 4 分

公衆トイレの有無

  • 不明

参考

浅草 酉の寺・鷲在山長國寺
浅草 酉の寺・鷲在山長國寺;熊手、いきいき あじさい祭り
長國寺『いきいき浅草あじさい祭』あじさい鉢の販売・あじさい図鑑・新鮮野菜直売・きゅうりの吸い物・甘茶香
長國寺『いきいき浅草あじさい祭』昔からの知恵の力をいただき、夏に向かって心身リセット!
あじさい祭り | 一般社団法人 奥浅草観光協会
千束通り商店街の「奥浅草お休み処」ひさご通りの「商店街事務所前」酉の寺「長國寺」にて6月19日と20日の両日にわたり、あじさい祭りを行います。
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